と・も・子、ランドネ、する2
と・も・子は遠足のワクワクを顔に出さないようにしながら、いつものように朝のバスに乗ります。
でも今日は何だか皆さまの視線を感じる。
うん。皆さま一回はと・も・子を見るんだな!
おそらく、と・も・子の格好です。
志茂田景樹さま顔負けのコーディネートになっています。
現代で言うとりゅうちぇる、でしょうか。
バスに乗っても、誰か話しかけてくないかしら、早く学校に着いて!と祈るばかり。
午前の授業が終わり、貸切バスで山のふもとに向かいます。
これが、結構登る、登る。
途中から山の緑の中に牛がポツリポツリと見えてきます。
牛は白と茶色。
真っ黒な牛しか見たことのないと・も・子は牛ですら異国感を醸し出していることに、これまたフランスの雪国というものを強く感じたのでした。
バスから降りて、さて歩きますよ、と先生。
歩いたのは40分。
ん?これは、サンダルでも歩けたのでは?これは移動というのでは。
実際、十二支仲間の中にはサンダルの人、ワンピースの人もいました。
40分の移動をランドネと称して、到着したのはチーズ屋さんのレストラン。
パン、牛肉、サラダ、デザート付きで、各種チーズの試食ができます。ちなみに食べ放題。
もちろん、お買い上げもできます。
これは学校行事なのでやり取りはもちろんフランス語。
しかもチーズの製造過程やご当地チーズの特徴などの説明もあります。
易しい単語で教えていただいた結果、ここ雪国のご当地チーズはいわゆる「年貢対策」のひとつであったらしい、ということがわかりました。チーズにしてしまえば、熟成の工程もあって牛乳の量をごまかせますからね。
面白い!
ちなみに、と・も・子の気に入ったチーズは、見た目が一番危ないです。何というか、本当にまみれています。
カビに。
一見、暖炉の煤が付いているようにも見えます。熟成させる場所で何年も忘れてしまっていたのかな、落としちゃったのかな、というようなふわふわとしたものが付いています。外側は食べないようにしてね、と言われたくらい。このふわふわの中にダニが無限にいるらしい。
想像できる!
でも!一番美味しかった!
食感は固め、色は透明の薄い黄色。クセはあり。日本酒で例えるなら山廃。
クミンなどのハーブやナッツを混ぜて作るタイプもあるようです。