(フランスの)雪国13
ただ一面に立ち込めた
牧場の朝の霧の海
これを見て牧場の朝を歌ったのはと・も・子だけだったでしょうか。
まあ、そうだったでしょう。
ここフランスの雪国は連日の雨。
朝起きて、今日も雨か、と窓を見ると一面の霧。
きれいでした。それだけです。
特にアパートは街の高台にありますし、アパートそのものも4階ですし、こんな高さから霧に包まれた雪国を見たことがありません。
久しぶりの感覚でした。
里の雪国にいた頃も経験していたはずですが、長らくの東京住まいで全く忘れていました。
そして先日、里の雪国から紅葉の便りが。こんなにも鮮やかでしたっけ?鮮やかだったんですよ、ずっと。
それに、フランスの雪国を歩く親子が、落ち葉を拾って歩いているのを見て、どこでも同じなのだな、と再び思い出したわけです。
そう思いながら数日過ごしたある日、においの変化を感じました。
雨がずっと降り続いたある日。雨が少し雪のにおいがするように感じたのです。
この日は最高気温が10度を下回った日。ほーぅ、と・も・子はネズミ。動物の感覚を忘れていないんだな、何だか安心。
と、いうことは。
これから冬になるには早いようでまだもう少しある。
まずは雪国に雪が降ること。
それまでにはもう少し、いや、まだまだ寒くなってもらわなければ。
雪が降ってから。降ったり解けたりを繰り返して積もるのを待たねば。雪が積もったにおいも違いますからね。
そう言って、春を待つわけだ。